中古品販売会社の設立と許認可

中古品販売会社の設立と古物商許可|必要なケース・申請方法・開業手続きを解説

中古品を買い取って販売する事業や、他人から委託された中古品を販売する事業を始める場合は、原則として古物商許可が必要です。リサイクルショップ、古着店、中古車販売、ネットショップなどを開業する前に確認したい許可の対象、営業所、管理者、申請書類、営業開始後の義務を分かりやすく解説します。

中古品販売会社設立時に確認する取扱商品、古物商許可、営業所、管理者、ネット販売、取引管理の全体像

中古品販売会社設立と古物商許可の要点

許可が必要な事業
中古品を仕入れて販売する場合や、中古品の売買・交換を委託されて行う場合は、原則として古物商許可が必要です。
申請先
主たる営業所の所在地を管轄する警察署を通じて、都道府県公安委員会へ申請します。
営業所と管理者
営業所ごとに、古物営業を適正に実施するための管理者を1人選任します。
ネット販売
ウェブサイトなどを利用して古物取引を行う場合は、URLに関する届出や許可情報の表示が必要になることがあります。
許可取得後の義務
取引相手の確認、帳簿への記録、標識の掲示、不正品を疑う場合の申告などが必要です。

1. 古物と古物営業とは

古物営業法における古物には、一度使用された物品だけでなく、使用されていなくても使用のために取引された物品や、これらに手入れをした物品も含まれます。

古物に該当する主な物品

  • 消費者が使用した衣類やバッグ
  • 一度販売された未使用品
  • 中古の自動車やオートバイ
  • 中古のパソコンやカメラ
  • 修理や清掃を行った中古品
  • 古本や中古のCD・DVD
  • 中古の時計や宝飾品

古物を自ら売買・交換する営業や、他人から委託を受けて売買・交換する営業などを行う場合は、原則として公安委員会の許可が必要です。

2. 古物商許可が必要なケース

古物商許可の要否を判断する仕入販売、委託販売、交換、私物処分、無償入手、個別確認

実店舗を持たない場合や、個人から小規模に始める場合でも、事業として古物を仕入れて販売するのであれば、古物商許可が必要になる可能性があります。

  • 中古品を買い取って店舗で販売する
  • 中古品を仕入れてネットショップで販売する
  • フリマアプリやネットオークションで転売する目的で中古品を仕入れる
  • 古着や中古ブランド品を買い取って販売する
  • 中古車や中古バイクを仕入れて販売する
  • 中古のスマートフォンやパソコンを買い取って販売する
  • 中古品を買い取り、修理や清掃をして販売する
  • 他人から中古品の販売を委託されて手数料を受け取る

買取先が一般消費者ではなく、古物市場や別の古物商であっても、古物を仕入れて販売する営業であれば許可が必要です。

3. 古物商許可が不要となるケース

中古品を販売する行為のすべてに、古物商許可が必要となるわけではありません。

一般的に許可が不要と考えられる例

  • 自分で使用していた私物を販売する
  • 自分で使用する目的で購入した物を不要になって販売する
  • メーカーや卸売業者から新品を仕入れ、新品のまま販売する
  • 自社で製造した商品を販売する
  • 無償でもらった物を販売する

ただし、「自分で使うため」と説明していても、実際には転売目的で継続的に仕入れている場合は、古物営業に該当する可能性があります。

私物の処分

自分が使用していた物や、自分で使用するために購入した物を不要になって販売する行為です。

中古品の仕入れ販売

販売して利益を得る目的で中古品を仕入れ、継続的に販売する事業です。原則として許可が必要です。

4. 古物の13区分

古物商許可申請で整理する取扱品目、主たる区分、複数区分、自動車、美術品、変更対応

古物は、古物営業法施行規則により13の区分に分類されています。許可申請では、実際に取り扱う区分を選択します。

区分 主な品目例
美術品類 絵画、書、彫刻、工芸品など
衣類 洋服、着物、帽子、布団など
時計・宝飾品類 時計、宝石、貴金属、アクセサリーなど
自動車 自動車とその部品など
自動二輪車及び原動機付自転車 オートバイとその部品など
自転車類 自転車とその部品など
写真機類 カメラ、レンズ、ビデオカメラなど
事務機器類 パソコン、コピー機、電話機など
機械工具類 工作機械、電動工具、ゲーム機など
道具類 家具、楽器、日用品、スポーツ用品など
皮革・ゴム製品類 バッグ、靴、革製品など
書籍 古本、雑誌など
金券類 商品券、乗車券、各種チケットなど

ブランドバッグのように、材質や用途によって複数の区分が候補になる商品もあります。主として取り扱う古物と実際の事業内容を説明し、申請先の警察署へ確認しましょう。

5. 古物営業における営業所の考え方

古物商許可で確認する営業所実態、使用権原、独立性、管理者、欠格事由、勤務体制

古物商許可の申請では、古物営業の拠点となる主たる営業所を定めます。

営業所として確認したい項目

  • 継続的に古物営業を行う場所である
  • 会社がその場所を使用する権限を持っている
  • 賃貸借契約や利用規約で事業利用が認められている
  • 営業所を管理する人を配置できる
  • 帳簿や取引記録などを適切に管理できる

店舗を設けずネット販売だけを行う場合でも、受注、仕入れ、在庫管理、発送などを行う営業の拠点を設定する必要があります。

6. 営業所の管理者

古物商は、営業所ごとに、その営業所の業務を適正に行うための責任者として管理者を1人選任する必要があります。

  • 営業所で実際に業務を管理できる
  • 欠格事由に該当しない
  • 複数の営業所を名目上だけで兼任する状態ではない
  • 取り扱う古物に関する知識を身につける

会社の代表者や役員が管理者を兼ねることも可能ですが、営業所から遠く離れた場所に勤務しているなど、実際に管理できない状態では認められない可能性があります。

7. 古物商許可を受けられない場合

申請者、法人の役員、営業所の管理者などが法律上の欠格事由に該当する場合は、許可を受けられません。

欠格事由の主な例

  • 破産手続開始の決定を受け、復権を得ていない
  • 一定の刑罰を受け、所定の期間を経過していない
  • 過去に古物営業の許可を取り消され、所定の期間を経過していない
  • 暴力団員などに関する欠格事由に該当する
  • 営業所ごとに適切な管理者を選任できない
  • 法人役員の中に欠格事由へ該当する人がいる

欠格事由は細かく定められています。過去の処分や役員の経歴について判断が難しい場合は、申請前に管轄警察署へ相談してください。

8. ネットショップで中古品を販売する場合

中古品のネット販売で確認するURL、使用権限、許可表示、本人確認、取引記録、変更届

自社サイトやネットショップなどを利用して古物の取引を行う場合は、実店舗だけで営業する場合とは異なる確認事項があります。

  • 申請書や変更届へ使用するURLを記載する
  • URLを使用する権限を確認できる資料を用意する
  • ウェブサイトへ必要な許可情報を表示する
  • 通信販売に必要な表示を整備する
  • 非対面取引に適した本人確認方法を採用する

ウェブサイトへ表示する主な許可情報

  • 古物商の氏名または法人名
  • 許可をした公安委員会の名称
  • 古物商許可証の番号

ウェブサイトを持っていない場合や、常時使用する従業者が一定人数以下の場合などには、ウェブサイト上の表示義務が免除される場合があります。ただし、取引方法に応じた届出や表示が別に必要となる可能性があるため、管轄警察署の案内を確認してください。

9. 会社設立前に決めること

古物商許可を取得する予定がある場合は、会社設立前に事業内容と営業形態を整理しておきましょう。

  • 取り扱う中古品の種類
  • 買取方法と仕入先
  • 実店舗、出張買取、ネット販売などの営業方法
  • 主たる営業所とその他の営業所
  • 各営業所の管理者
  • 使用するウェブサイトやネットショップ
  • 買取品と取引記録の管理方法
  • 開業資金と商品の仕入資金

定款の事業目的

定款には、実際の事業内容に合わせて、中古品の買取・販売、古物営業、インターネットによる通信販売などの目的を記載します。

中古車、酒類、医薬品などを取り扱う場合は、古物商許可以外の許可や登録が関係する可能性もあります。取り扱う商品ごとに必要な手続きを確認してください。

10. 会社設立から営業開始までの流れ

中古品販売会社の事業整理、体制確認、会社設立、書類準備、許可申請、営業開始の流れ
  1. 1

    事業内容を整理する

    取り扱う中古品、仕入先、販売方法を整理し、古物商許可が必要か確認します。

  2. 2

    営業所と管理者を決める

    営業の拠点となる場所を確保し、各営業所の管理者を決定します。

  3. 3

    会社の基本事項を決める

    商号、事業目的、本店所在地、資本金、役員構成などを決定します。

  4. 4

    会社を設立する

    定款を作成し、資本金の払込みと設立登記を行います。

  5. 5

    必要書類を準備する

    法人、役員、管理者、営業所、使用するURLなどに関する書類をそろえます。

  6. 6

    古物商許可を申請する

    主たる営業所の所在地を管轄する警察署へ申請書と添付書類を提出します。

  7. 7

    審査と補正へ対応する

    追加資料や記載内容の修正を求められた場合は、警察署の案内に従って対応します。

  8. 8

    許可証を受け取る

    許可の連絡後、指定された方法で許可証を受け取ります。

  9. 9

    標識や帳簿を準備して営業を開始する

    営業所への標識掲示、帳簿、本人確認方法などを整えてから事業を始めます。

11. 申請時に準備する主な書類

法人で古物商許可を申請する場合は、一般的に次のような書類を準備します。

  • 古物商許可申請書
  • 法人の履歴事項全部証明書
  • 法人の定款
  • 役員全員の住民票の写し
  • 役員全員の身分証明書
  • 役員全員の略歴書
  • 役員全員の誓約書
  • 管理者の住民票の写し
  • 管理者の身分証明書
  • 管理者の略歴書
  • 管理者の誓約書
  • URLの使用権限を確認する資料

身分証明書とは、運転免許証などの本人確認書類ではなく、本籍地の市区町村が発行する証明書を指します。

必要書類、作成部数、証明書の有効期間などは申請先によって案内が異なる場合があります。管轄警察署へ事前に確認してください。

12. 申請と開業に必要な費用

古物商許可の新規申請手数料は1万9,000円です。このほかにも、会社設立や書類取得、営業準備の費用がかかります。

費用 内容
許可申請手数料 新規申請は1万9,000円
会社設立費用 定款認証、登録免許税、証明書取得など
証明書取得費用 登記事項証明書、住民票、身分証明書など
営業所費用 敷金、賃料、什器、保管設備など
仕入資金 中古品の買取りや在庫確保に必要な資金
販売環境の費用 店舗、ネットショップ、決済、発送など

不許可となった場合や申請を取り下げた場合でも、申請手数料が返還されないことがあります。欠格事由や営業所の条件を確認してから申請しましょう。

13. 許可取得後に必要な対応

古物商許可取得後に管理する標識、帳簿、変更届、許可証、営業所追加、営業開始時期

古物商許可を取得した後も、古物営業法に基づくルールを守って営業する必要があります。

  • 営業所の見やすい場所に標識を掲示する
  • 必要に応じてウェブサイトへ許可情報を表示する
  • 古物を買い受ける際に取引相手を確認する
  • 取引内容を帳簿または電磁的記録へ記録する
  • 帳簿などを定められた期間保存する
  • 盗品などの疑いがある場合は警察へ申告する
  • 品触れを受けた場合は該当する古物を確認する
  • 営業所以外で取引する場合のルールを守る
  • 許可事項に変更が生じた場合は届出を行う

法人名、所在地、役員、管理者、営業所、取り扱う古物の区分、ウェブサイトのURLなどを変更する場合は、変更内容に応じた手続きが必要です。

14. 買取時の本人確認と取引記録

古物取引で行う相手方の本人確認、品目の特徴、取引日時、帳簿管理、不正品対応

古物商には、盗品などの流通を防ぐため、古物を買い受ける際の本人確認や取引記録が義務付けられています。

取引時に確認・記録する主な内容

  • 取引の年月日
  • 古物の品目や数量
  • 古物の特徴
  • 取引相手の住所、氏名、職業、年齢
  • 本人確認を行った方法

取引金額が1万円未満の場合には、本人確認や記録義務が一部免除されることがあります。ただし、オートバイ、書籍、CD・DVD類など、金額にかかわらず免除されない物品があります。

15. 中古品販売会社の設立でよくある注意点

  • 未使用品なら古物に該当しないと思っていた
  • フリマアプリでの販売には許可が不要だと思っていた
  • 法人設立前に取得した個人許可をそのまま使えると思っていた
  • 営業所の賃貸借契約で事業利用が認められていなかった
  • 営業所の管理者を決めていなかった
  • 使用するウェブサイトのURLを届け出ていなかった
  • サイトへ許可情報を適切に表示していなかった
  • 買取時の本人確認方法が法令に対応していなかった
  • 役員や管理者の変更届を忘れていた

古物商許可は、個人と法人で別の許可です。個人事業から法人へ変更する場合は、法人として新たに許可申請が必要になります。

16. 中古品販売会社設立前チェックリスト

  • 予定する取引に古物商許可が必要か確認した
  • 取り扱う古物の区分を確認した
  • 仕入先と販売方法を決めた
  • 定款へ適切な事業目的を記載した
  • 主たる営業所を決めた
  • 営業所の事業利用が認められている
  • 営業所ごとの管理者を決めた
  • 役員と管理者が欠格事由に該当しないことを確認した
  • 利用するウェブサイトとURLを確認した
  • 買取時の本人確認方法を決めた
  • 取引記録を保存する方法を決めた
  • 許可取得までの仕入れや営業開始を控える

17. 古物商許可に関するよくある質問

自分の不用品を販売する場合も古物商許可が必要ですか?

自分で使用していた私物や、自分で使用する目的で購入した物を不要になって販売する場合は、通常、古物商許可は必要ありません。ただし、転売目的で仕入れて継続的に販売する場合は許可が必要になる可能性があります。

未使用品を買い取って販売する場合も許可が必要ですか?

一度消費者などへ販売された物は、実際に使用されていなくても古物に該当することがあります。そのような未使用品を仕入れて販売する場合は、原則として古物商許可が必要です。

ネットショップだけでも営業所は必要ですか?

実店舗を設けない場合でも、受注、仕入れ、在庫管理、発送などを行う古物営業の拠点を設定する必要があります。使用予定の場所について管轄警察署へ確認してください。

法人の代表者個人が持つ許可を会社で使えますか?

使用できません。個人と法人は別の許可主体です。法人として古物営業を行う場合は、法人名義で古物商許可を取得する必要があります。

許可を申請すればすぐに仕入れを始められますか?

申請しただけでは古物営業を開始できません。公安委員会の許可を受けてから、中古品の仕入れや買取りを始めてください。

古物商許可に有効期限はありますか?

古物商許可には、運転免許証のような定期的な更新期限はありません。ただし、許可取得後に長期間営業を開始しない場合や、営業を休止した状態が続く場合などには注意が必要です。また、許可事項に変更があったときは届出を行います。

複数の都道府県に店舗を出す場合、許可は複数必要ですか?

現在の制度では、主たる営業所を管轄する公安委員会から許可を受けたうえで、その他の営業所について必要な届出を行います。新しい営業所を設ける前に、主たる営業所を管轄する警察署へ手続きの順序を確認してください。

参考情報

必要書類、申請方法、営業所の判断、変更手続きなどは、法令改正や申請者の状況によって異なる場合があります。実際に申請するときは、主たる営業所の所在地を管轄する警察署へ事前に相談し、最新の案内をご確認ください。

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