会社設立の基本

会社設立チェックリスト|設立前・登記・設立後にやること一覧

会社設立では、会社の基本事項を決めるだけでなく、定款の作成、資本金の払込み、設立登記、税務・社会保険などの届出が必要です。このページでは、会社設立前から事業開始までに確認する項目をチェックリスト形式で整理します。

会社設立前の方針決定から登記、設立後の事業開始までを11段階に整理した図

会社設立チェックリストの使い方

  • 上から順番に確認し、完了した項目にチェックを付けます。
  • 株式会社と合同会社で異なる項目に注意してください。
  • 従業員を雇用しない場合は、労働保険関係の一部手続きは対象外です。
  • 許認可が必要な事業は、会社設立前から要件を確認します。
  • 提出期限がある届出は、設立日を基準に期限を記録します。
  • 判断できない項目は、法務局や管轄機関、専門家へ確認します。

1.会社設立の方針を決める

最初に、なぜ会社を設立するのか、どの会社形態を選ぶのかを整理します。

会社設立の方針を整理してから商号、所在地、資本金などの基本事項を決める流れ
確認 確認する項目 主な注意点
□ 法人化の目的を整理した 信用、資金調達、採用、税務、許認可などを確認します。
□ 個人事業との違いを比較した 設立費用だけでなく、社会保険や維持費も比較します。
□ 会社形態を決めた 株式会社と合同会社では、費用や運営方法が異なります。
□ 設立予定日を決めた 登記申請日が原則として会社の設立日になります。
□ 必要な設立資金を見積もった 法定費用、資本金、開業後の運転資金を分けて考えます。
□ 専門家へ依頼する範囲を決めた 登記、税務、社会保険、許認可などに分けて検討します。

2.会社の基本事項を決める

会社の基本事項は、定款や登記申請書など複数の書類へ記載します。書類を作成する前に内容を確定させましょう。

確認 決める項目 主な確認内容
□ 商号 会社名と会社形態を決めます。
□ 同一商号の確認 同じ所在地に同じ商号の会社がないか確認します。
□ 本店所在地 賃貸借契約や事業利用の可否も確認します。
□ 事業目的 現在行う事業と、将来行う可能性がある事業を整理します。
□ 許認可の要件 目的、資本金、事務所、役員などの要件を確認します。
□ 資本金 設立後の運転資金も考慮して決めます。
□ 出資者と出資額 誰がいくら出資するかを決めます。
□ 役員または社員 役割、任期、代表者、報酬などを検討します。
□ 事業年度 繁忙期、決算作業、資金繰りなどを考慮します。
□ 公告方法 官報、日刊新聞紙、電子公告などから選びます。

許認可が必要な業種では、会社設立後に要件を満たせないことがないよう、定款や本店所在地を決める前に申請先へ確認してください。

3.定款を作成する

定款は会社の基本規則です。株式会社と合同会社のどちらでも作成します。

定款の作成と認証を確認してから資本金を払い込み記録を保存する流れ
確認 作業内容 対象
□ 定款の記載内容を確認した 株式会社・合同会社
□ 紙定款か電子定款か決めた 株式会社・合同会社
□ 発起人または社員が署名・押印した 申請方法に応じて対応
□ 公証役場へ事前確認を依頼した 主に株式会社
□ 定款認証を受けた 株式会社
□ 認証済み定款を保管した 株式会社

合同会社も定款の作成は必要ですが、公証人による定款認証は必要ありません。紙定款には原則として印紙税がかかるため、電子定款との違いも確認してください。

4.資本金を払い込む

定款の作成や認証が完了したら、定めた出資額を払い込みます。会社設立前は会社名義の口座がないため、発起人などの個人口座を使用するのが一般的です。

確認 作業内容
□ 払込先となる口座を確認した
□ 定めた出資額を払い込んだ
□ 払込日と払込金額を確認した
□ 通帳または取引明細を保存した
□ 口座名義が分かる資料を保存した
□ 払込みを証する書面を作成した

払込みの時期が適切でない場合は、入金をやり直す必要が生じることがあります。定款の作成・認証と払込みの順序を確認してください。

5.設立登記の書類を準備する

必要書類は、会社形態、役員や社員の構成、定款の内容、現物出資の有無などによって異なります。

会社設立登記の中心書類、申請前の照合、申請後の記録を順に確認する図
確認 主な書類 確認内容
□ 設立登記申請書 法務局の最新様式を使用します。
□ 定款 株式会社は原則として認証済み定款を使用します。
□ 決定書または同意書 本店所在地、資本金、役員などの決定内容を確認します。
□ 就任承諾書 役員や代表社員の選定方法に応じて用意します。
□ 払込みを証する書面 払込金額と通帳・取引明細を確認します。
□ 印鑑証明書・本人確認証明書 必要な人、通数、有効期限を確認します。
□ 印鑑届書 会社印を登記所へ提出する場合に準備します。
□ 委任状 代理人が申請する場合に準備します。
□ 登録免許税 会社形態と資本金から税額を確認します。

現物出資、取締役会、法人社員、海外在住者などが関係する場合は、追加書類が必要になる可能性があります。

6.法務局へ設立登記を申請する

原則として、本店所在地を管轄する法務局へ設立登記を申請します。書面申請、郵送申請、オンライン申請などの方法があります。

確認 作業内容
□ 管轄法務局を確認した
□ 書面申請またはオンライン申請を選んだ
□ すべての書類の表記を照合した
□ 必要な署名・押印・電子署名を確認した
□ 登録免許税を納付した
□ 設立登記を申請した
□ 申請日と受付番号を記録した
□ 法務局からの連絡に対応できる状態にした

登記申請書を法務局が受け付けた日が、原則として会社の設立日になります。希望する設立日がある場合は、法務局の開庁日も確認してください。

7.登記完了後の書類を取得する

登記が完了したら、会社名義の銀行口座や各種届出に必要な書類を取得します。

登記完了後に取得する証明書類と税務署や地方自治体への届出を整理した図
確認 作業内容 主な用途
□ 法人番号を確認した 税務届出、契約、請求書など
□ 登記事項証明書を取得した 銀行口座、税務、社会保険、契約など
□ 印鑑カードを取得した 会社の印鑑証明書を取得する場合
□ 会社の印鑑証明書を取得した 金融機関や契約先から求められる場合
□ 定款と設立書類の原本を保管した 会社の重要書類として保管

登記手続きが完了するまでは、原則としてその会社の登記事項証明書や印鑑証明書を取得できません。

8.税務関係の届出を行う

会社設立後は、税務署、都道府県、市区町村などへ必要な届出を行います。

確認 主な届出 提出先・注意点
□ 法人設立届出書 納税地を管轄する税務署へ提出します。
□ 青色申告の承認申請書 青色申告を希望する場合に期限までに提出します。
□ 給与支払事務所等の開設届出書 役員報酬や従業員給与を支払う場合に確認します。
□ 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 適用を希望し、要件を満たす場合に提出します。
□ 消費税関係の届出 資本金、売上見込み、取引条件などから判断します。
□ 都道府県への法人設立届 所在地を管轄する都道府県税事務所へ確認します。
□ 市区町村への法人設立届 所在地の自治体へ必要書類と期限を確認します。

地方税の届出名称、必要書類、提出期限は自治体によって異なります。本店所在地を管轄する都道府県と市区町村の案内を確認してください。

9.社会保険の手続きを行う

法人の事業所は、原則として健康保険と厚生年金保険の強制適用事業所になります。代表者1人だけの会社でも、役員報酬を受ける場合などは加入手続きが必要になることがあります。

会社設立後の社会保険手続きと従業員を雇用する場合の手続きを分けた図
確認 主な届出 提出先
□ 健康保険・厚生年金保険 新規適用届 管轄の年金事務所
□ 被保険者資格取得届 管轄の年金事務所
□ 被扶養者(異動)届 扶養家族がいる場合に確認
□ 保険料の納付方法を確認した 口座振替などを検討

日本年金機構では、新規適用届の提出時期を事実発生から5日以内と案内しています。加入対象者や役員報酬の扱いに不明点がある場合は、管轄の年金事務所へ確認してください。

10.従業員を雇用する準備を行う

従業員を1人でも雇用する場合は、労災保険などの手続きが必要です。雇用条件によっては雇用保険への加入も必要になります。

確認 作業・届出 主な提出先
□ 労働条件通知書・雇用契約書を作成した 従業員へ交付・締結
□ 労働保険 保険関係成立届 労働基準監督署など
□ 労働保険 概算保険料申告書 労働基準監督署、労働局など
□ 雇用保険適用事業所設置届 管轄のハローワーク
□ 雇用保険被保険者資格取得届 管轄のハローワーク
□ 賃金台帳などの法定帳簿を準備した 会社で作成・保管
□ 就業規則の作成義務を確認した 常時使用する労働者数などから判断

建設業などの二元適用事業では、一般的な事業と手続きの提出先や流れが異なります。

11.事業開始の準備を行う

登記や行政手続きと並行して、実際に事業を始めるための環境を整えます。

会社口座、許認可、経理、契約、連絡と営業、書類管理の6分野で事業開始準備を確認する図
確認 作業内容
□ 会社名義の銀行口座を申し込んだ
□ 資本金を会社口座へ移した
□ 必要な許認可を申請した
□ 会計ソフトと経理方法を決めた
□ 請求書や領収書の様式を準備した
□ インボイス登録の必要性を確認した
□ 契約書や利用規約を準備した
□ 事業用の電話・メールを準備した
□ ホームページや会社案内を準備した
□ 名刺や営業資料を準備した
□ 書類の保管方法を決めた
□ 設立後の年間予定を作成した

会社設立後の主な提出期限

次の期限は一般的な目安です。実際の起算日や適用条件を提出先へ確認してください。

会社設立後の提出期限を基準日、提出先、期限、提出記録の4項目で管理する図
届出 一般的な提出期限 提出先
法人設立届出書 設立登記の日以後2か月以内 税務署
青色申告の承認申請書 設立日から3か月を経過した日と、第1期終了日のうち早い日の前日まで 税務署
健康保険・厚生年金保険 新規適用届 事実発生から5日以内 年金事務所
労働保険 保険関係成立届 保険関係成立日の翌日から10日以内 労働基準監督署など
労働保険 概算保険料申告書 保険関係成立日の翌日から50日以内 労働基準監督署、労働局など
雇用保険適用事業所設置届 事業所設置日の翌日から10日以内 ハローワーク
雇用保険被保険者資格取得届 資格取得日の翌月10日まで ハローワーク

都道府県や市区町村へ提出する法人設立届の期限は、自治体によって異なります。設立後すぐに所在地の自治体へ確認してください。

会社設立チェックリストのよくある質問

会社設立にはどれくらいの期間がかかりますか?

会社の基本事項が決まっているか、株式会社か合同会社か、定款認証や書類作成にどれくらい時間がかかるかによって異なります。希望する設立日がある場合は、余裕を持って準備を始めてください。

会社の設立日は自由に決められますか?

原則として、法務局が設立登記申請を受け付けた日が設立日です。土曜日、日曜日、祝日など法務局の閉庁日は、通常は申請日として指定できません。

代表者1人の会社でも社会保険に加入しますか?

法人事業所は原則として強制適用事業所です。代表者1人だけでも役員報酬を受ける場合などは、健康保険・厚生年金保険の加入対象になることがあります。個別の加入要件は年金事務所へ確認してください。

従業員がいなくても労働保険の手続きは必要ですか?

役員だけで従業員を雇用していない場合は、通常、労働保険の成立手続きは行いません。従業員を雇用した時点で、加入要件と提出期限を確認します。

税務署への届出は登記申請と同時にできますか?

法人設立ワンストップサービスなどを利用できる場合があります。利用条件や対応手続きを確認し、提出状況と受付結果をそれぞれ記録してください。

すべての手続きを自分で行えますか?

一般的な会社設立であれば、自分で進めることも可能です。現物出資、複雑な機関設計、許認可、海外居住者が関係する場合などは、司法書士、税理士、行政書士、社会保険労務士などへの相談を検討してください。

主な確認先