会社設立の手続き先
会社設立で行く場所一覧|法務局・公証役場・税務署・年金事務所を解説
会社設立では、公証役場、法務局、税務署、都道府県・市区町村、年金事務所など、手続きごとに提出先が変わります。ただし、すべての窓口へ必ず出向くわけではありません。会社形態、本店所在地、従業員を雇うか、許認可が必要かを整理し、オンライン・郵送・窓口のどの方法を使うか確認しましょう。
会社設立の手続き先を調べるときの要点
- 株式会社の定款認証は公証役場、設立登記は法務局が基本です。
- 設立後の国税は税務署、地方税は都道府県と市区町村へ確認します。
- 健康保険・厚生年金は年金事務所、労働保険は労働基準監督署やハローワークが関係します。
- 管轄は本店所在地または実際の事業所所在地で決まることがあるため、手続き別に調べます。
- 支局や出張所が近くても、目的の手続きを扱っているとは限りません。
- 所在地や受付方法は変わるため、訪問前に公式サイトと窓口へ確認します。
会社設立で関係する窓口一覧
会社設立の前後に関係する主な窓口は次のとおりです。必要な窓口は会社ごとに異なるため、一覧を上からすべて回るのではなく、自社に該当する手続きを選びます。
| 窓口 | 主な手続き | 主な対象 | 窓口以外の方法 |
|---|---|---|---|
| 公証役場 | 設立時の定款認証 | 株式会社など | 電子定款・ウェブ会議に対応する手続きあり |
| 法務局 | 会社の設立登記 | 株式会社・合同会社など | オンライン申請または書面申請 |
| 税務署 | 法人設立届出書、青色申告、給与・源泉所得税など | 設立した法人 | e-Taxまたは郵送に対応する手続きあり |
| 都道府県税事務所・市区町村 | 法人住民税・法人事業税に関する設立届など | 設立した法人 | 電子申告・郵送の可否は自治体ごとに確認 |
| 年金事務所 | 健康保険・厚生年金保険の新規適用など | 原則として法人事業所 | 電子申請または郵送に対応する手続きあり |
| 労働基準監督署 | 労働保険関係成立届、労災保険関係など | 労働者を雇う事業所 | 電子申請に対応する手続きあり |
| ハローワーク | 雇用保険適用事業所設置届、被保険者資格取得届など | 雇用保険の対象者を雇う事業所 | 電子申請に対応する手続きあり |
| 許認可を所管する行政機関 | 営業許可、免許、登録、届出 | 許認可が必要な業種 | 制度ごとに確認 |
所在地・電話番号は公式一覧で確認します
庁舎の移転、組織の統合、取扱業務の変更があるため、このページでは全国の住所や電話番号を転載していません。訪問する時点で、各機関の公式検索ページから最新の管轄と受付方法を確認してください。
管轄を調べる前に決めること
同じ市区町村でも、手続きの種類によって担当窓口が異なる場合があります。検索を始める前に、少なくとも次の情報を整理します。
- 株式会社・合同会社など、設立する会社形態
- 登記する本店所在地
- 実際に従業員が働く事業所の所在地
- 役員だけの会社か、従業員を雇う予定があるか
- 許認可が必要な事業を始めるか
- オンライン申請、郵送、窓口のどれを希望するか
会社設立前に決める項目は、会社設立前に決めることでまとめて確認できます。
公証役場|株式会社の定款認証
株式会社を設立するときは、設立時の定款について公証人の認証を受けます。日本公証人連合会によると、合同会社を含む持分会社の定款は公証人の認証を必要としません。
株式会社
原始定款の認証が必要です。本店所在地を管轄する法務局または地方法務局に所属する公証人へ依頼します。
合同会社
定款の作成は必要ですが、公証人による定款認証は不要です。認証のために公証役場へ行く手続きはありません。
公証役場の探し方
日本公証人連合会「公証役場一覧」で都道府県を選び、所在地と連絡先を確認します。希望する認証方法、必要書類、事前確認の方法、予約の要否は公証役場へ問い合わせます。
定款の作成から認証までの詳細は、オンラインで会社設立する方法も参照してください。
法務局|会社の設立登記
会社は、本店所在地を管轄する登記所へ設立登記を申請します。最寄りの法務局、支局、出張所が必ず会社・法人登記を扱うとは限らないため、「近い窓口」ではなく「商業・法人登記の管轄」で確認することが重要です。
法務局の探し方
法務局「管轄のご案内」で都道府県を選び、本店所在地に対応する商業・法人登記の取扱庁を確認します。不動産登記の管轄と同じとは限りません。
申請方法
設立登記は、書面またはオンラインで申請できます。オンライン申請には電子証明書や申請用ソフトなどの準備が必要です。自分で行う場合は、自分で会社設立する方法と会社設立に必要な書類一覧も確認してください。
税務署|国税に関する設立後の届出
法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税や消費税に関する届出などは、納税地を所轄する税務署へ提出します。必要な書類と期限は会社の状況によって異なります。
税務署の探し方
国税庁「税務署の所在地などを知りたい方」では、郵便番号、住所、地図、一覧から所轄税務署を探せます。
提出方法
国税庁は、法人設立届出書をe-Taxまたは書面で提出できると案内しています。書面は窓口への持参だけでなく送付も可能です。設立後の税務書類は、会社設立後の税務・社会保険手続き一覧で整理しています。
都道府県税事務所・市区町村|地方税の届出
法人住民税や法人事業税に関する設立届は、都道府県と市区町村への手続きが必要になる場合があります。窓口名、様式、添付書類、期限、電子申告や郵送の可否は自治体ごとに異なります。
税務署への提出だけで完了とは限りません
税務署は国税、都道府県と市区町村は地方税の窓口です。東京都23区など取扱いが異なる地域もあるため、本店所在地の都道府県・市区町村の公式サイトで「法人設立届」「法人設立・設置届」などを検索してください。
年金事務所|健康保険・厚生年金保険
法人事業所は、事業主だけの場合を含め、原則として健康保険・厚生年金保険の適用事業所になります。新規適用届や被保険者資格取得届など、会社と加入者の手続きを確認します。
年金事務所の探し方
日本年金機構「年金事務所管轄区域」で、実際の事業所所在地をもとに管轄を確認します。登記上の本店と従業員が働く事業所が異なる場合は、どの所在地を基準にするか年金事務所へ確認してください。
提出方法
日本年金機構は、新規適用届について電子申請、郵送、窓口持参の方法を案内しています。提出先や添付書類は、最新の手続き案内を確認してください。
労働基準監督署・ハローワーク|従業員を雇う場合
従業員を雇う場合は、労災保険と雇用保険の手続きが関係します。労働基準監督署とハローワークは役割が異なるため、どちらか一方だけで完了すると決めつけないようにします。
労働基準監督署
労働保険関係成立届、労災保険関係の手続きなどを扱います。事業の種類によって提出順序や窓口が変わる場合があります。
ハローワーク
雇用保険適用事業所設置届、対象となる従業員の資格取得届などを扱います。
厚生労働省の全国労働基準監督署の所在案内と都道府県労働局・公共職業安定所所在地一覧から管轄を確認します。社会保険・労働保険の整理は、会社設立後に社労士へ相談することも参照してください。
許認可の申請先|業種によって追加される窓口
許認可が必要な業種では、会社設立の手続きに加えて、営業開始前の申請や届出が必要です。法人登記が完了しても、許可を得る前に営業できない業種があります。
| 業種の例 | 主な窓口の例 | 確認ページ |
|---|---|---|
| 建設業 | 都道府県または国土交通省の担当窓口 | 建設会社の設立と建設業許可 |
| 不動産業 | 都道府県または国土交通省の担当窓口 | 不動産会社の設立と宅建業免許 |
| 飲食店 | 営業所所在地を管轄する保健所など | 飲食店開業に必要な許可・手続き |
| 有料職業紹介 | 都道府県労働局 | 人材紹介会社の設立と許可 |
| 中古品販売 | 営業所所在地を管轄する警察署 | 中古品販売会社の設立と古物商許可 |
事業目的、本店所在地、役員の要件、専用事務所などが許認可へ影響することがあります。定款や賃貸契約を確定する前に、会社設立に許認可が必要な業種一覧と所管窓口の案内を確認してください。
オンライン・郵送でできる手続き
窓口へ行かずに完了できる手続きも増えています。会社設立の登記、税、社会保険などは、それぞれの電子申請サービスや法人設立ワンストップサービスから手続きできる場合があります。
オンラインが向く場合
電子証明書や申請環境を準備でき、複数の手続きをオンラインで進めたい場合です。利用条件と添付方法を事前に確認します。
郵送・窓口が向く場合
書面の確認を受けたい、原本提示がある、電子申請の準備に時間がかかる場合です。受付時間や返送方法を確認します。
オンライン化されていても、すべての添付書類や相談が同じサービスだけで完結するとは限りません。申請予定の手続きが対象か、公式サイトの最新案内で確認してください。
管轄窓口を間違えない調べ方
1. 手続き名を特定する
「会社設立の手続き」だけで検索せず、「株式会社の定款認証」「商業・法人登記」「法人設立届出書」「健康保険・厚生年金保険新規適用届」のように、提出する手続き名を特定します。
2. 基準となる所在地を確認する
本店所在地、納税地、実際の事業所所在地など、管轄の基準は手続きによって異なります。登記簿の住所だけで判断しないようにします。
3. 公式サイトで取扱業務まで確認する
地図検索で近い庁舎を選ぶのではなく、公式の管轄表で対象地域と取扱業務を確認します。支局・出張所では目的の業務を扱わない場合があります。
4. 予約・提出方法を問い合わせる
予約制、受付時間、持参書類、原本提示、手数料、電子申請や郵送の可否を確認します。説明内容をそろえるため、問い合わせ時は会社形態、本店所在地、事業内容、雇用予定を伝えます。
窓口へ行く前の確認事項
- 予約が必要か、相談と申請の受付時間が同じか
- 申請書を事前に作成する必要があるか
- 原本、写し、本人確認書類、委任状のどれが必要か
- 手数料の金額と支払方法
- 補正が必要になった場合の連絡方法
- 控えや証明書を郵送で受け取る場合の返信用封筒
- 代理人が提出できるか、資格者への依頼が必要か
提出期限がある手続きは、書類の到着日や電子申請の受付時点の扱いも確認します。期限直前に初めて管轄を調べるのではなく、設立日から逆算して準備しましょう。
会社設立の手続き先に関するよくある質問
会社設立の手続きは1か所ですべてできますか?
登記、税、社会保険、労働保険、許認可で担当機関が異なります。法人設立ワンストップサービスで複数の手続きをオンライン申請できる場合はありますが、対象手続きと利用条件を確認する必要があります。
公証役場はどこを選んでもよいですか?
株式会社の定款認証は、本店所在地を管轄する法務局または地方法務局に所属する公証人へ依頼します。具体的な取扱いは希望する公証役場へ事前に確認してください。
最寄りの法務局へ設立登記を出せますか?
最寄りでも、会社・法人登記を扱っていない支局や出張所があります。法務局の管轄案内で、本店所在地の商業・法人登記を扱う登記所を確認します。
税務署へ法人設立届出書を出せば地方税の届出も完了しますか?
国税と地方税は提出先が異なります。税務署に加え、都道府県と市区町村の設立届が必要か、それぞれの公式サイトで確認してください。
従業員がいなければ労働基準監督署とハローワークの手続きは不要ですか?
労働保険・雇用保険の手続きは、原則として労働者を雇ったときに関係します。ただし、法人事業所の健康保険・厚生年金保険は別の制度であり、役員だけの会社でも原則として確認が必要です。
主な確認先
- 日本公証人連合会「定款とは何ですか。何故、公証人の認証が必要なのですか。」
- 日本公証人連合会「公証役場一覧」
- 法務局「管轄のご案内」
- 国税庁「税務署の所在地などを知りたい方」
- 国税庁「No.5100 新設法人の届出書類」
- 日本年金機構「年金事務所管轄区域」
- 日本年金機構「新規適用の手続き」
- 厚生労働省「全国労働基準監督署の所在案内」
- 厚生労働省「都道府県労働局(労働基準監督署、公共職業安定所)所在地一覧」
- 法人設立ワンストップサービス
管轄、取扱業務、受付方法、必要書類は変更されることがあります。実際に申請する前に、各機関の公式サイトと担当窓口で最新情報をご確認ください。
